特別なことじゃない
河村:FLOWER magazine作るって決めたときは、
知り合いになってしまっていたし、
断りやすいような顔して会いに行かないとって思ったけど、
少し緊張してて、結局断らないで圧がすごかったと思う(笑)。
塩川:とても嬉しかったですよー!
FLOWERみたいな個人のプロジェクトは、
人!って言うか、その人と
やりたいかどうかです。
河村:うんうん。思えば店始めた頃からいつもそうやって
応援してもらってるよね、私。
塩川:としえさんがやっていることに興味があったから。
企業にお金をもらってやるとかじゃなくて自分のお金で
一人でそういうことをしてる人にすごく尊敬があって
私が協力できることがあるんだったらもちろんしたいなって思ってた。
あと、そういうものが世の中でなんかこう光って見えるというか、
自分がこう普段やってて、
あー希望だなって思うようなことだったりするから。
河村:そういうことが希望だって言うのは私も
すごく感じてることで、
むしろ私なんてそこだけでやってきたみたいな。
だけどインディペンデントの仕事こそ希望だ、
みたいに、そこばっかり大事にしててもだめだなって
要するに私のことなんだけど(笑)。
個人ができることの希望を感じつつ、
この世界で仕事がなんかこうちゃんと・・・
塩川:回っていく?
河村:そうそう。回っていくことができたらいいな。
いづみちゃんはどうやってそのバランスを取ってるの?
もともと才能があるって言ってしまえばそうだけど
それってすごい難しいなあって思ってて。
塩川:難しいですよねえ。
河村:だからよく東京を離れてるんだろうか?って思ったり(笑)。
塩川:離れてる(笑)。
河村:うんうん。
塩川:東京だと自称何々みたいな職業が
それぞれあって、それが自分の顔になってるから
お仕事ももらえるのだけど
良くも悪くもフラットになれないですよね。
人と繋がりすぎるけど、孤独。
自分がやってることも、私にとっては
そんな特別なことじゃないのに
人の評価で勘違いしてしまったり、感謝すること忘れたり。
なので機会があれば時々離れて風通し良くしてる。
河村:うん、植物を育てる時も風通しはすごく必要なんだけど
きっと私たちにとっても大事なことな気がする。
塩川:実家だったら例えば弟がお父さんをしていて、
孫みてる母がいて、目の前の仕事に、
東京で言う職業っていうような仕事じゃなくても、
みんな一生懸命で今日を生きてる。
庭の昆虫でも植物でもなんでもいいんだけど。
そういうのを見るとなんか安心するというか
何でもない自分も生きてていいしまた頑張ろうってなるから。
河村:そういう時間をとても大事にしているのは
いづみちゃんの描く絵から伝わってくる。
自宅のリビングに飾ってる女性の絵を見るだけで
知らないうちにたまってた心のモヤモヤや孤独が
消えていくんだよね。
私にとっての風になってるのかも。
絵を描いてるときってどんなこと考えてるの?
塩川:うーん、仕事の絵の時は何を描くべきなのか考えてる。
個展はまた別。
違うことを平行してやってるのを切り替えて、
こっちはこっちで深く潜って、あっちはこの期限までに
出してみたいなことをやってくのって、
そもそもそういうことが苦手だから、、結構たいへん。
それぞれゴールが違うから。
河村:そっかぁ。
でもFLOWER の時楽しい楽しいって
言ってくれたでしょ?あの時、あー良かった~と思って。
なんか良かったなぁって思いながら
同時にすごいなあって思ってた。
すごく楽しんで絵を描いてるのがわかって。
塩川:楽しい。絵を描くのはいつも楽しい!
それがうまくいけばなお良し!
河村:絵を描くことを楽しい!ってずっと感じれる心だって
いづみちゃんが大事に育てたもので。
かつきちんと人の役に立っていること、
そのことの難しさは想像でしかないけれど、
いや〜かっこいいです。
←BACK TOP NEXT→03 絵との距離