深まる謎



 GINZAの連載をやらせてもらうようになって

 毎月同じ日に同じようなボリュームで雑誌を発売することの

 大変さを少しだけですが垣間見て、その労力の果てしなさに

 びびってきました。

 最初、担当の編集さんやライターさんから来るメールの返信が

 いつも絶対に夜中で、というか朝方なのが気になりだした。

 今は分かる。こりゃあ、寝れるわけない。

 私は私の担当するページのテキストや

 花のことを一生懸命考えて、なるべく早くに原稿を

 提出することしかできないんだけど、

 私よりも年上の彼女たちの体が本当に心配になる。


 だけどよく考えてみると彼女たちのような状況は

 どこの業界でもあって、似たようなものかもしれない。

 まわりの花屋さんだって寝てない人がいっぱいいる。

 私も一時期全然寝れなくて、その時からずっと体調が良くないまま

 不正出血をくりかえして、今もあんまり絶好調にならず、

 でもペースを落としながら自分の無理ができる範囲で、

 かつ薬を少しずつ断ちながら元に戻している最中だ。


 今思うと花屋の取材でくるほとんどの編集さんが嫌いだった。

 話を聞くのも適当で、ただページを埋めるためだけ感を

 漂よわせてくる。雑誌に載るのは店の宣伝になるからなのか

 取材のギャラも花材代だって、こちらが勇気を出して聞かない限り、

 前もって言ってこないのがほとんどだったし

 OPEN前に終わらせたくて予定を組んでも、

 俺たちは忙しいから約束の時間に遅刻するのは当たり前って態度に

 取材される私が慣れなきゃいけない気持ちにさえなっていた。

 そうじゃない人たちももちろん沢山いるのに、

 一部の(と今は思ってきた)理解に苦しむ人たちのせいで

 取材嫌いになってる店はけっこういると思う。


 知り合いの紹介から、受けるかどうか内容的に迷う取材の

 依頼があったとき、すぐ断ることもできず、

 一度企画を説明してもらってから決めようと

 店に編集者さんとライターさんに来てもらったときがあった。

 当たり前だけどマガジンハウスじゃありません。

 私が聞く側だと思っていたのに、約3時間質問されっぱなしで

 年下には強気でいけない私は心をこめて話して、

 店内の写真もロケハン的なことかと思ったので

 好きに撮ってもらって・・・。

 実は内心、すごく丁寧にメモを取るなとは思っていたけど。

 帰りぎわ、今週末に企画をまとめて撮影日など含め、

 改めてご連絡しますので、その企画書を見ていただき

 改めてご判断くださいと言われた。っきり連絡はなかった。

 その後たぶん数ヶ月くらい経ったとき、連絡しなかったことの

 理由が微妙にふわふわしてなんだか怪しいメールが来た。

 直感的に、写真や私が話したことを元にして、

 別の企画にするつもりだとわかったので、

 不信に思うところを全部書いてメールをしたら、

 すぐに編集長さんと一緒にお菓子持って謝りに来た。

 しかも営業中のお客様がいる時に。

 連絡がなかった理由も、あのとき撮った店内の花や花瓶の写真や

 私が話したこと、費やした時間は何なのか、分からないまま

 何も信じられない気持ちになってしまったこともある。


 だからどんどん編集者が嫌いになっていったけど、

 こんなに一生懸命に雑誌を作っている人たちがいるなんて

 知らなかった。ごめんなさい!って気持ちでいっぱいです。

 ただ、それがわかった今でも解けない、むしろ更に深まる謎が

 ある。こんなに雑誌を愛して作ってる人がちゃんといたのに、

 なぜ雑誌は売れなくなってきたんだろう。

 もちろん時代とともになくなるものはある。

 だけどレコードと雑誌は同じ運命をたどることもできそうなのに。

 レコードを今でも、今だからこそ熱狂的に買ってる層は

 ちゃんといる。かわちゃんなんか見てると、

 ほとんどをそれに働いたお金を費やしてると思えるくらいだ、

 私は紙の雑誌が今でも好きだし代官山蔦屋に行けば、

 金欠だから絶対買わないつもりでもいても

 結局買ってしまうくらいなのに、そんな私でさえ日本の雑誌は

 ほとんど買わなくなっちゃった。

 うわ、高い!きつい!と思いながらも買ってしまう雑誌と

 中身をチェックしたいとさえ思わなくなった雑誌、

 何が、どこが違うんだろう。読者は(私は)何を求めて

 雑誌を買うんだろう。

 FLOWER magazineはどうしたらもっと売れるんだろう?(そこかい!)




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