優しい顔



 例えば私に子供がいたら。

 今のような働き方は絶対しないだろう。

 例えば親の介護が必要になったら。

 何百本という花の葉っぱやトゲを取り、

 お湯を沸かして湯あげして、

 湯あげの必要ない花は特別な液につけたり、

 トンカチで叩いたり。

 そんなような地味な水揚げでさえ愛おしく感じるのでは?

 面倒な作業のすべてがきっとキラキラ輝き出すと思う。

 夫婦と言っても付き合ってる恋人と変わらないから、

 いろんなことを適当に流しててごめんなさい。

 名前のない気持ちを誰かにちゃんと理解してもらえるわけないし

 考えてみたら、親になる気持ちさえ一度も芽生えなかった私は

 どこかが病気なのかもしれない。

 親を思う瞬間、こんな私の心にある本気の感謝を

 どうやったら伝えられるのか考えてしまうから、

 考えるだけ無駄だと思うことにしてる。

 なのにしょーもない言い訳をしたくなってるのは、

 子供の卒業式の為に白髪を染めたって笑ってた友達が

 今まで見たことない優しい顔だったからだ、絶対。




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