方程式と水餃子


 この間の週末に久しぶりに餃子館に入れた。

 それはそれは美味しくて、おじさんもおばさんも

 それはそれは優しくて。

 「しかし似てるね〜」って優しく話しかけてくれる

 おじさんとおばさんを前にいつものように感動した私たち。

 いろいろ不平等ばかりなこの世界において、

 自分が他者に向けて放つ優しさの合計と、

 他者から受け取る優しさの合計は

 けっこうな確率でイコールだと気がついた。

 1対1ではそうはいかないことが普通だけど、

 人生で考えたらこの方程式は100%かもしれない。

 



 初めてのお客さんに会うとき私たちはものすごく緊張する。

 こういう性格って結局、一瞬消えたと思っても、

 しっかりと核をなしていてふいに出てきてしまう。

 人はなかなか変わらない。

 ガラの悪い大阪弁は、化粧してない時のメガネや

 マスクみたいに手放せなくなっているけど、

 それでも結局は伝わっている。

 それはそれで全然いいのだけれど、私は餃子館の

 おじさんたちみたいになってみたい。

 たとえ演技だったとしても、完璧な演技がしたい。

 餃子館みたいな店にはとうていなれないけど

 私たちだってもっとできるはずだよって

 喝入れあった時のしーちゃんがすごくいい笑顔で、

 おじさんたちもいい笑顔で、でもお会計が安すぎて、

 もういろいろ切なくなった夜。






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